小規模の会社でも化学物質管理者の選任

コンプライアンス問題は、どんな小さな会社でも気にする世の中になってきました。
かつてのスシローの醤油問題や、バイトテロなどを考えると、企業ばかりか個人でも気にしなければいけないほどです。
そんな中、2024年4月からの化学物質管理者の選任が必要となる労働安全衛生法の改正は、あまりにも静かに進んでいるというのが印象としてあります。
この法改正ですが、その内容をみるとトンデモないムチャぶりといわれても仕方のない法律改正とみることが出来ます。
一番多く言われているのは、その法規制対象となるのが、業種の指定がないこと、会社規模の制約がなく1人企業でも該当すること、さらに対象物質が現在2900あり、それがどんどん増えていくことです。
しかしその中身を掘り下げると、より深刻な内容とも言えます。それは、対象となる物質を取り扱うことになる前に、化学物質管理者の役割(リスクアセスやリスクの低減)があるのに、専任が必要になった日(つまり、対象となる化学物質を使うようになってから)14日以内に選任する必要があることです。
何から手を付けていいやら分からないほど、矛盾しています。
さらに、その専任要件は、化学物質管理者の役割について十分対応できる人員とありますが、その仕事内容は化学の専門家が社内にいたとしても殆ど知らないことといっても過言ではありません。
行政の指導内容に特定化学物質作業主任者等の有資格者は講習を受ける必要が無いように読み取れるものがありますが、特定化学物質作業主任者の講習では化学物質作業主任者が行うべき仕事に関しての講習内容はありません。
実質的に言えば、業務用の製品を使うような企業は全て、予め化学物質管理者の仕事ができる化学の専門家を常駐で雇っておくべきだと言わんばかりの内容と、個人的には見て取れました。
それほど、化学物質に関する管理については行政はお手上げ状態のようです。簡単なことだから各企業に責任分担するというようなことでは、確実にありません。
むしろ、厄介な問題を企業に丸投げしていると言っても過言ではありません。
普通の感覚、化学と聞いて疎い人たちにとっては、自分たちが使っている業務用のトナーや、市販品と同じ成分の接着剤などが指定の化学物質になることをどうやって気づくでしょうか?
土台無理な話です。むしろ、それが自分のところと関係あるんじゃないかと思う企業の方が横のつながりでサプライチェーンとして、取引事業者にアナウンスすべきなのかもしれませんね。

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