最近、海外の日本に対する面白い記事を見つけました。
それはフランス最古の新聞であるフィガロに投稿されたという「日本のような国を目指そう」というもの。
フランスという国が自国の悪い部分を比較し、過度に日本を美化しているように思えなくもないですが、記事の内容としては世界で唯一グローバル化に抵抗してなお世界第3位の経済大国として成功している日本を見習うべきではないかという提言でした。
日本は独自の文化やアイデンティティを守り続けているという評価なのです。
そこでふと違和感を覚えたのが「日本がグローバル化に抵抗している」というもの。
確かに、日本はEU各国が苦しんでいる移民問題や、それに関連して高い失業率などグローバル化の行き着いたいくつかの負の面はまだ迎えていない面はありますが、それは日本が抵抗しているから得られたポジションなのかという面は疑問に思ったからです。
むしろこれからグローバル化は本当に良いことなのかを本気で考え、今からできる残された選択肢はなんなのかを見ていかなければいけないような気がしました。このままいけば、記事でも暗喩されているように日本もグローバル化の流れを止められないことは見えてきています。
グローバル化の正体は、国の枠組みを排して効率化を進めることに本質があります。単純なものの上げられ方をみると日本の社会は生産性が悪いからもっと効率化しなければいけないと言う議論があります。ちなみに日本の製造業は生産性は悪くありません。つまりそれ以外のサービス業などの業界区分の生産性が世界基準で言うと悪いということです。表現を変えるとサービスなどの接客業について費用効果として手厚いということで、それは日本のサービスはすごいということの裏返しです。
製造業にしても安価な労働力を移民に依存することがグローバルスタンダードの面では軸になっています。その為に失業率が増える状況が生まれています。もともとジョブ型雇用が進んでいるので、社内でキャリアアップがなく、昇給がないので費用面で効率的である反面、人はキャリアアップのために転職するので失業の機会が多いということもあるでしょう。景気の動向に則して労働力を切るため仕組みとしてはグローバル化の傾向は効率的です。実際、派遣社員という働き方の状況はグローバル化の影響そのものだといえます。
一部の社員の給料水準を守るために、一緒に働く人の首を切る会社がいいのか、不景気なのだから一時的には社員全体の給与水準を下げるのが良いのか、一概には言えませんが、グローバル化の先にある方向にどこか人を切り捨てるような冷たさを感じるのは気のせいでしょうか。まあ、そういった考え方が日本がグローバル化に抵抗しているということなのかもしれませんが、日本の中にいるとグローバル化に抵抗しているとはとても感じないというのが、多くの人が感じるところなのではないかと思えます。
「隣の芝生は青く見える」とはよく言ったものですが、何が良くて何が悪いかのかというのは、どちらの面の見方もして、考えるべきなのではないかと、改めて考えさせられました。
「日本のような国を目指すべきだ」仏最古の新聞フィガロ紙が世界で日本だけが保っているある独自性を特集し海外で話題に!【海外の反応】(すごいぞJAPAN!) – YouTube
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